LEMON AND MAGAZINE

AS THE GIRL,
SO THE WOMAN

長野・松本へ行ってきた。
どうしても訪れたい店があったのだ。
それは、スタイリスト・荻野玲子さんが
昨年オープンしたヴィンテージショップ
REVONTULI(レヴォントゥリ)。

松本駅から20分ほど歩くと(道中にも素敵な雑貨店などが多くあるので飽きない)、落ち着いたグリーンが目印の愛らしいお店がすぐにそこだとわかる。内心で興奮しながら同じグリーンのドアを開くと、店主の荻野玲子さんの笑顔があった。
かわいいものが大好きなどこかの国の女の子のワンルームのように、ごちゃごちゃと生活感のあるディスプレイ。食器、クロス類、キルト、クッション、文具、紙もの、アクセサリーなどが並ぶ。「国や年代、ブランドにはこだわらず、自分でかわいい!と思ったものをフランスやベルギーなどで買い付けています。だから、帰国して失敗したなぁと思うこともあるんです(笑)」。かわいいものにワクワクする少女のような気持ちが原動力。そこに、ものの背景を調べ、知ることの楽しみも加わった。

小学生のころ、荻野少女は雑貨屋さんを開きたかった。文房具や雑貨が大好きで、クリスマスプレゼントはおもちゃではなく、文房具をリクエストした。大学時代は文具・雑貨店でアルバイト。大好きな雑貨と写真、両方が活かせる仕事を探していたときに、スタイリストという仕事を知る。フリーランスでのスタイリストアシスタントを経た後に、岡尾美代子さんのもとで修行し、2013年に独立した。人気の雑誌や広告などで引っ張りだこ、忙しく走り回る毎日。そんな中で出合ってしまったのだ、夢のお店にぴったりの場所に。もともとはパン屋や本屋だったという一軒家の物件だった。

夢のお店の準備はイメージボードを作ることから。”こういうお店にしたい”と思う写真や雑誌の切り抜きなどを集めて、お店のイメージをボードに貼っていく。お店の名前REVONTULI(フィンランド語でオーロラの意味)とロゴは早い段階からあった。東京から電車や長距離バスで通いながら少しずつ理想のお店に整えていき、コロナ禍のままならなさを越えて買い付けの旅へ。そして2022年7月、REVONTULIがオープンした。

現在、平日は東京でスタイリストとして。週末は松本でREVONTULI店主として。二拠点での生活を送る。「移動はハードだけれど、松本の山や自然を眺めて、この店で好きなものに囲まれているととても落ち着きます。東京ではずっと仕事ばかりしちゃうけれど、松本での時間のおかげでがんばれる。このバランスが合っているのかも」。

スタイリストとして、好みのものも好みではないものも、常に膨大なものを見て、触れているからこそ、より鮮明になっていく荻野さんの揺るぎない世界観。それをぎゅっと凝縮させたこの空間には、ものを並べただけではない意味や、愛着や、思いがあり、ものを買うだけではない体験ができる。荻野さんのそれは、もう世界中のどこを探してもここにしかないのである。わざわざ足を運びたいお店って、そういうことなのだ。


※2/1(水)まで、東京・千駄ヶ谷の「THE MOTT HOUSE TOKYO」にてREVONTULIのポップアップストアが開催されています。クッションやアクセサリー、雑貨などが並んでいるそう。関東の方はぜひこの機会にREVONTULIの世界観を味わってみてください!
@themotthousetokyo

Reiko Ogino

スタイリスト岡尾美代子さんに師事後、2013年に独立。『FIGARO japon』『FUDGE』『ONKUL』『SITRUUNA』などさまざまな雑誌やWEB、カタログ、広告で活躍中。上品なスタイリングと、そこに見え隠れする遊び心が、見る人の心をほっとゆるませる。

レヴォントゥリ

長野県松本市蟻ヶ崎2-5-6
OPEN: 土・日 12:00〜18:00
※詳しい営業日などはインスタグラムをご覧ください。